この度の新型コロナ感染症で考えること

 

新型コロナ感染症は医療、生活、経済、社会制度などに予測されていなかった多くの難題を

投げかけております。特に子供たちがおかれた環境は全く予測されたことのない状況でした。

休校の状態は3か月近くにおよび、この間子供達はできるだけ家の中にとどまり、友達とも自然

な交流ができない環境下におかれました。
前にお伝えしましたが、当院に通院中のチックの患者さんの症状にどのような変化がみられたか

を休校1.5か月間の状況をまとめました。
その結果は、小学生、中学生の年齢では半数以上に症状の改善をみました。一方、高校生では

悪化が半数以上にみられました。
この現象をどう解析するかは更に解析検討を要しますが、チックは、本人の脳にある素因が発達

過程においてバランスを崩すことにより起こるものと考えられますが、環境要因によって修飾される

ことも事実です。
この環境要因について、私共は睡眠覚醒リズムを正しく守ること、日中の活動、特にウォーキング

などの上下肢交互運動など、を活発にすること、ゲーム、スマホ、テレビなどのいわゆるスクリーン

タイムを制限することなどが重要と考えております。
今回、チック症状の変化に年齢による差がみられたことの一つの解釈として、生活に関する保護者の

指導、本人の努力が低年齢の子供達ではよく守られ、高校生の年齢では必ずしも十分でなかったの

ではないか、等考察してみております。
一方休校の後半では、チック症状の再現、悪化が低年齢でも出現している印象があります。
また、子供達の生活パターンについて、当初、多くの子供たちが「学校、塾、習い事などがなく、

自分のペースで好きなことが出来てよい。」ということを述べておりました。また「コロナが恐ろしく

外出できない。」という子供も少なからずおりました。
しかし後半になるに従い「勉強は出された宿題などを行っているので心配していないが、友達

と遊べないのがつまらない。学校は始まったほうがよい。」ということをいう子供が増えております。
今後の育児、家庭教育、学校教育において考えるいくつかのポイントが示されていると考えます。
また、今回のことを一つに教訓として、物事、種々の事象に対して、正しい理解、忍耐、他に対する

思いやり等の重要性を学んでいってほしいと思います。

以 上

2020/06/1