野村芳子小児神経学クリニックへようこそ

小児神経内科、神経内科、小児精神科のクリニックです。

野村芳子は、小児神経専門医、および脳神経内科専門医です。

小児神経の病気が疑われる場合には専門医の診察を受けてください。

 

 

「生涯神経学」の重要性

当クリニックは「小児神経学」を標榜しています。

その中で「生涯神経学」という言葉を幾度となく使ってきました。

「小児期に発症した神経・精神疾患は時間の経過に連れてその状況が変化するため、成人、高年、

更に老年まで注意深くフォローする必要がある。」

これは私の恩師であり共に小児神経学の分野で診療と研究を実践してきた故瀬川昌也先生が常に

おっしゃっていたことで、これを私は「生涯神経学」と呼んできております。

 

小児期に発症する神経・精神疾患には様々なものがあります。

軽度なものは早い段階から治療を始めることにより多くのケースで成人する前までに快癒しています。

難度が高い病気の場合完快に至らないケースもありますが、その場合でも如何に症状を緩和出来る

か常に患者様と情報を共有しながら日々最善を尽くしています。

また、小児期に発症した神経・精神疾患は神経系の発達、成熟、老化の過程で変化する事も少なく

ありません。そのことを念頭に治療、対処していくことが大切と考えております。

 

私は「瀬川小児神経学クリニック」の副院長として40年余、野村芳子小児神経学クリニックの院長と

して9年近くこの分野に専念してきました。

小児期に診察を始めた患者様が還暦を迎えられる方もおります。この間に新たな症状を現出する

ケースにも遭遇しています。小児神経疾患の経年による変化を私自身半世紀にわたって医療現場

で目撃し、これに如何に対処すべきかを患者様、ご家族と共に戦っているといった感じです。

不自由なことに耐えて人生を送っていらっしゃる患者様、そのご家族のQOL(生活の質)の改善に

少しでもお役に立ちたいと考えています。

 

当クリニックには、チック症、トゥレット症候群、また、瀬川病、異常運動(ジストニア、振戦など)、

レット症候群、重症筋無力症、自閉症、てんかん等、神経疾患の小児から成人までの患者さんが

来院されております。

成人の方でも神経に起因する病気を懸念される場合には、「生涯神経学」を標榜する当院へ

一度ご来院ください。

なお、当院における診療の対象疾患についてご質問等ありましたら遠慮なくお問い合わせください。

 

2024年3月  野村芳子

 

 

「院長発信 アーカイブス」に以下の発信内容を記載してあります。

「発達障害は脳の問題です」

「チック症を見過ごさないで下さい」

「他の小児神経難病」

「開業8年目を迎えて」

「開業7年目を迎えて」

 

なお、以下の発信内容も一読下さい。

「チックの脳は元来優れた、ユニークな脳です!」(2023年6月追記)

「チック症と発達障害についての分析結果」(2023年5月追記)

「生涯神経学”(子供から大人までの神経学)の重要性」 (2023年4月追記)

 

チックの脳は元来優れた、ユニークな脳です!

  ①  やはりチック症は放置しないで下さい。  「鉄は熱いうちに打て」

 ② チック症は情緒、行動などの問題(注意欠陥多動障害、こだわり、不安症、

    睡眠障害など)を伴います。

 ③  チック症の素因は、元来優れた、またユニークな脳です。

 ④  生活様式、価値観が激変する中でチック症の治療に対する保護者と患者

       本人のコミットメントが重要です。

 

チックについておさらいし、早めの対応が大切であることをお伝えしたいと思います。

チックは小児期にしばしばみられ、単なる癖とみなされ“様子見あるいは放置”される事が少なくあり

ません。然し、チックは不随意運動の一種です。自分の意志と関係なく動く(運動チック)、声が出る

(音声チック)もので、チック症という病気の症状です。

チック症は子供時代に始まることが多く、症状はひどくなったり、よくなったりと変動します。1年くらい

で消えることもありますが、小学生時代から中学生時代まで変動を繰り返すことが多く、15歳以降

に軽減し、ほぼ消失することもありますが、増悪し、大人まで続くことも少なくありません。

チック症にはしばしば注意欠陥多動障害、こだわり、不安症、睡眠障害など情緒、行動などの問題

を伴います。

チック症の子供たちは症状そのもので困ることも多く、また、友達関係、家族との関係、学校生活

などで困ることも多いといえます。

またチック症の原因である神経系は子供の発達に重要な役割をもっております。この神経系は

小児期に勢いよく発達する神経系です。ですからこの時期にこそ早期に適切な対応が必要です。

ふるくから「鉄は熱いうちに打て」と言われていますね。

更にチック症の原因は、素因、生活環境などに関連しております。

チック症の素因は、元来優れた、またユニークな脳です。生活環境は色々ありますが、睡眠覚醒

リズム、運動、友達関係、学校生活など通常の生活環境です。

近年、世の中の生活様式、価値観が激しく変わっております。親のみならず、子供たちも大変忙しく

睡眠リズムは乱れ、運動をすること、友達と遊ぶことなども減っております。学校で、皆で話し合い、

学び、楽しみ、時に喧嘩する(よい喧嘩!)機会なども減ってきております。

一方、スクリーンタイムが増え、顔と顔を合わせてコミュニケーションをとる機会が激減しております。

スクリーンタイムの増加は睡眠リズムの乱れにもつながっております。

当クリニクには多くのチックの患者さんが来られております。早期からの対応をし、“卒業した”患者

さんも多くおられます。また、チックは大人になるとなおりにくいことが知られておりますが、適切な

治療により症状がかなり軽減し、家庭、職場での生活が楽になっておられる患者さんも多くおります。

ある小学生の男の子が「運動会の時 『あー』とチックを出して走って一等になった」と得意そうに

話してくれました。

チックは‘気合の神経’ともいえます。運動選手がここ一発の時に大きな声を出すことは自分の力

をふるいだすことに関係があるのだといえます。

また、チックの神経は‘人と楽しみ、喜び合うこと’に関係した神経とも言えます。

チック症に関連した神経系を育てることは、互いにコミュニケーションを取り、仲良くすることにも

つながるといえます。

 

 

チック症と発達障害についての分析結果

 

この度、当クリニックにてチック症を主病とする患者さん並びに注意欠陥多動障害(ADHD)を主病

とする患者さんについて、それぞれが示す他の発達障害の特性との相関性を確認するための分析

を行いました。

発達障害の要支援度評価尺度(MSPA:エムスパ)の検査をベースとして、環境要因との関連を調べる

ためスクリーンタイム、睡眠リズムについても併せ検討しました。

 

その結果;

1)チック症患者さんが示す他の発達障害との関係では、強迫性障害(こだわりの強さ)とADHD(特に

  不注意)に比較的高い相関性がみられました。

 

2)チック症状の重症度と他の発達障害の特性の程度にも相当の相関が確認されました。

 

3)ADHDを主病とする患者さんはチック症を主病とする患者さんよりも他の発達障害の特性に対して

  より有意な相関がありました。

 

4)環境要因ではスクリーンタイムの過多が影響していることを確認しました。

  学びの場でスクリーンタイムが増えていることを考えますと如何に遊びの場で抑制するかという事が

  とても大事になってきます。

  ゲームやユーチューブによる過剰なスクリーンタイムはチック症状のほか不注意や衝動性と言った

  ADHDの特性、こだわりやコミュニケーション能力の阻害と言った発達障害の特性に悪影響を及ぼ

  しています。

  また、睡眠リズムにも悪い影響を与えておりチック症状の改善の妨げになっています。

 

当院ではチック症のほか様々な発達障害の特性を有する患者さんに寄り添い一人一人に対

して適切な治療と生活面での指導を提供しており、多くの患者さんで症状の改善を見ています。

親御さんもお子さんも様々な事情によって多忙な生活を送っているわけですが、症状が認め

られたら、なるべく早期に医療を受けて頂きたいと思っています。

 

 

小児神経学・小児神経科について;

-“生涯神経学”(子供から大人までの神経学)の重要性-

 

当院は開業以来8年となっております。

もう一度、皆さんと一緒に子供時代に始まる神経・心の問題を考えてみたいと思います。

 

人の脳は生後段階的に発達していきます。それは親から受けた因子(素因)に加えて外から

の因子(環境)が影響します。環境は、生活環境、育児、しつけ、教育などです。

 

人の“発達”は運動発達、知的発達に加え、情緒、意志、心の発達などがあります。

発達の過程でみられる“運動、知能、情緒、意志、心”の問題は、脳神経の問題がその背景

にあり、素因、環境要因の関与があります。

いわゆる発達障害(自閉症スペクトラム障害、注意欠陥多動性障害、学習障害)、チック症/

トゥレット症候群、睡眠障害、発達性協調運動障害、などもその背景に上に記した神経系の

発達過程での問題があるといえます。

これらの問題は単に親の育て方の問題ではありません。然し、その背景にある環境要因

についても科学的に検討し、対応策を考えることにより、それぞれの問題の軽減、改善が可能

となります。また、一部の症状に対しては薬剤が有効なこともあります。

 

また、瀬川病、レット症候群などの背景は特別な遺伝子異常が、ダウン症は染色体異常の関与

があり、小児期に始まり、成人、老年迄経過します。

 

重症筋無力症は自己免疫性疾患の一種であり、本邦では小児期発症が多いことが知られております。

これらの患者さんも長期の経過をフォローすることが大切です。

 

当クリニックは、こうした神経学をもとにそれぞれの患者さんの問題に最適な対応、治療を行っております。

 

 

 

私、野村芳子は、
瀬川小児神経学クリニック副院長として40年間、故瀬川昌也先生と共に診療と学術研究

に勤しんで参りました。

また、平成27年8月に当クリニックを開業後、小児神経の病に罹患された数多くの患者様

の診療にあたって参りました。
神経系の病気は他の疾患と異なり、日頃身近に接しているご家族の方々でも直ぐに気が

付かないケースもあるかと思いますが、お独りで悩まずに専門医の門を叩いてください。
早期の正しい診断と治療が大切です。多くの疾患はそれにより治癒または症状の軽快が

期待できます。

症例としては、以下のように大別されます。
夫々の病気の概要については別のページで説明してあります。

該当する症状がある場合には当クリニックでの診療をお勧め

します。
1. チック症、トゥレット症候群
2. 発達障害(自閉症、アスペルガー症候群、注意欠陥

  多動性障害‐ADHD、他)
3. 睡眠障害
4. ムズムズ足症候群
5. てんかん
6. レット症候群
7. 異常運動
      瀬川病(ドパ反応性ジストニア)
      他の異常運動(ジストニア、舞踏運動、震え、など)
8. 重症筋無力症
9. 原因不明の発達の遅れ、および神経疾患

 

神経系疾患については、「小児神経の病気について」、「小児神経の基礎的事項」を

ご参照ください。

 

 

診療所所在地:

本郷通りに面し、神田明神大鳥居の二軒右隣り、学問の神様である湯島聖堂の前です。

詳しくはアクセスをご覧ください。

 

~世界の平和は子供から~

野村芳子小児神経学クリニック

東京都文京区湯島1丁目2番地13号 御茶ノ水明神ビル 3階

電話:03-3258-5563

FAX:03-3258-5565

NEWS

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